我が家は中古住宅。
3年間家や土地を探していた当時。これ!という物件に出会えず、やっぱり新築でいこうと土地の契約をしようとしていたタイミングでネットサーフィンしていると、前に通りすがりに「この家なんか良いなあ」と思っていた家が売りに出されている事に気がつきました。
不動産会社にすぐにTEL。まだ持ち主が住んでいたんだけど、内見の許可をいただきその日の午後にまだ2歳だった下の子をつれて見学に行きました。
築31年の古い洋館。日当たり抜群。中は板張りの床や壁、パイン材は経年で飴色になってた。
一通り見させてもらい、持ち主とちょっとした世間話をして、お礼を言い家を出ました。道端で不動産会社の担当さんと「こんな感じです」と話をするないなや
「この家、買います!すぐ契約申し込みさせて下さい!」と言いました。
あの時の担当さんの驚き具合といったら…。
普段着の若い(実年齢より頼りない見た目のせいで)お母さんが、子供と二人で来て行き成り家を買うと言っているんだから無理もないです。
「え…ご主人の職業は?年収は?」戸惑いながら聞いてきた担当さん。
でもね、今言わなきゃこの家はすぐに売れる!と3年間で培った目利き能力にピンと来たんです。
そんなこんなでそれまで慎重だった私が直観で決めた我が家。
夫もさぞ驚いたことでしょう。
出張中で見てもいない家の申し込みをOKしてくれた心の広さには感謝しかありません。
新築には無い感じの味がこの家にはあって、明るいリビングや高い天井、2×4ならではの安定感。何だかしっかりした印象があった建具は北米製だと後で気が付きました。
もともとのオーナーはアメリカ人でその後この家を売ったそうな。
アメリカ風に拘ったのかな。田舎にある小さな家のような印象です。
買った家は北米風だけど、私は日本が豊かだった時代の建材が好きです。
木が本物でしっかりしていて重みがあって。賃貸でも、新築のツルっとした所より少し経った所を好んで住んでいました。
だけど、この家。さすが築30年以上。
トイレの便座が座った瞬間外れるとか玄関ドアの隙間風が凄いとか、笑っちゃうけど直さなきゃいけない所はしこたまあって、その一つが木製窓でした。
二重窓は内部結露してるし(でも部屋側は結露しない気密性に驚き!)、酷い場所は上げ下げ窓のレールが取れていて窓を開けても止まらない状態だったり。
繰り出し式の窓のいくつかは樹脂のトステムにリフォームされていて、せっかくの木製の雰囲気がそこだけ台無しになっていました。
この窓はどこの何だ。と調べに調べて。
北海道は気密性の高い住宅が多いので、北欧の窓を扱っている会社は沢山あるんだけど、どこの物を見てもこれとは違う。
当時の資料は引き継いでいなくて、あるのは図面の一部だけで、その設計会社はもう無くなっていました。私たちに売ってくれたオーナーも建て主ではないので情報はありません。
ドアの金具には刻印がありメーカーがわかるけど、窓には何の手がかりもなく、ただどうやら全体的に北米製。そこで「アンダーセン」と「マーヴィン」、「ペラ」に絞られて、神戸で輸入住宅の修理をしている会社がありやっと「マーヴィン」だと分かったのです。
ここまで長かった…その神戸の会社からレールを買って既存の窓を直したりして暮らしていたけど、全部取り換えよう!!とリフォームを決意。
窓、全替えです。
でも北欧製はサイズ基準が違うので、やっぱりマーヴィンにしたい。
はいここからがまた大変でした。
リフォームで北米製窓を扱う会社は北海道には少ない少ない!
何社も家に来てもらい、やっと取り扱いしているところが見つかりリフォームが決定したのだけど、ログハウスの会社さんだったので以前とは雰囲気が少々異なります。
でもこれはこれで、山小屋っぽくて良い気がします。
家は高い買い物で、特に中古だと水回りや床下、カビや匂い、慎重にならなくてはいけない場所が沢山あります。我が家は運よく風通しもよく、古い割にベタ基礎で、一階は全室パネルヒーターがあり乾燥していたので木を良い状態に保てていました。
また、直観で感じた空気の良さはこの「木が乾いた状態」を保てていたせいだと思います。
いくらリフォームされていて側が綺麗でも、中に入ってなんとなくジメっとした空気を感じる物件はやっぱり直観で選んでいなかったんだと思います。
うち、古いけど好きだよ。と子供達も言っているし、
まだ直す場所はあるけれど、私もこの場所を気に入っています。
正直言うと、北欧製の三重木製サッシに憧れていますが。