色々あって此処

焦って不安になるけれど、笑えることはあるものです

片頭痛と眩しさと識字障害

初めての片頭痛は小学校3年生の時

バトンの発表会があったあの日

緊張とスポットライトと整髪料の匂いのせいだったんだと思う。

それと当時私はいじめっこのあの子のターゲットになっていて、毎日学校に行くのが苦痛だった。そのストレスも重なっていたんだろう。

 

帰りの車で手足が痺れて呂律が回らない、夢の中にいるような感覚。

母親に「死ぬかもしれない」と8歳にして訴えたのを覚えている。

家に帰ると嘔吐が止まらず、頭が正常に動いていなくてストーブの煙突でした火傷の跡は今でも太ももにある。

 

それから中学生まで、何度か半身の痺れと嘔吐のセットを繰り返し、

母は脳の病気を心配してMRIや脳波の検査を受けたけれど何にも見つからなかった。

37歳の時に再発してあまりに酷くて救急車で搬送された。

またもやMRIでは何も異常はなく、他の病院ではパニック発作と言われた。服薬しても良くならず、頭痛外来で片頭痛発作だったのだと分かった時には全てが繋がった気がした。

子供の時は頭が痛かった記憶はない。

とにかく自分がどうにかなってしまうのではないかと不安で、確かに、同時にパニック発作を起こしていたのかもしれない。子供の片頭痛は頭が痛いと訴えない場合も多いらしい。

 

今はもうそれが来たらすぐにわかる。

閃輝暗点に始まり、痛くなるのと反対側が痺れ始める。

顔、舌、手、足

手足が冷たくなっていく事に耐えて暫くして嘔吐と脈打つ頭痛が来る。

何度も繰り返すうちに恐怖感や不安感は薄れてきたけれど、

それでも自分が自分でないような感覚は怖いと感るので、

小学生にそれが来たら死の恐怖と感じても無理はないと思う。

今は処方された薬や体調管理でかなり頭痛との付き合いも慣れて、気のせいとしてきた程度の物も頭痛の一つだったんだと認める事が出来てきた。

 

日常生活を送れる日でも、匂いや光に過敏な方だと思う。

特に光と自分ついて最近分かって来た事がある。

子供の頃、私は本を読むのが猛烈に苦手だった。

字が消えたり踊ったりしてどこを読んでいるのかがほとんどわからなくなるので、指でなぞり声を出さないと読めなかったし、長い文章のものは手を出すことは無かった。

母は本を読め本を読めと言うけれど、言われれば言われる程に苦手意識は強くなった。

だけれども、それで学力が低かったかというとそうでもない。

自分なりに読める方法を見出して行けたし、他の部分で補完できていので高校も大学も行く事が出来た。大学は中退したけど。

 

今でも本を読むのは苦手で、縦書きが読みづらい。

特に晴れた日に真っ白な紙に印字されたものを読もうとすると訳が分からなくなる。一方で薄暗い部屋ではそこまで苦に感じたことは無いので、光に敏感な性質と関係があるのではないかと思っている。

なんていうか、本当に苦痛に感じるほどの眩しさで字が飛んでいるのだ。

パソコンやスマホも通常の光の設定ではとても辛い。

それがディスレクシアなのかと問われればわからないけれど、私の場合は何か関係があるんじゃないかと思う。

 

家庭用レーザー脱毛の光で片頭痛発作が来た時にはガッカリした。

ちゃんとサングラスしていたのに。そのあとの夫婦の時間を少なからず期待していたのに。

 

今私は通信制大学発達障害について学び、職場でも困りごとのある子達と接している。だけどそうカテゴライズされていない私のように、誰にも気づかれずに何かに苦手意識や苦痛を感じている人たちは数えきれない程いると思う。

誰しもが何かしら欠点があって当たり前なんだ。それは脳の動きの個性とでも捉えようか。

 

片頭痛は辛い。特に私は前兆が辛い。毎回このまま脳梗塞で逝くのではないかと思う程である。だけども、この過敏な身体と生きて行くしかないのだ。

もう42年も付き合ってきた。

大切なのは、自分を知り、方法を身に着けていく事で

否定する事ではないのだ。