色々あって此処

焦って不安になるけれど、笑えることはあるものです

過度な自然育児にさよならした話

世の中の多くのお母さんが辿る道程の一つに、添加物や化学物質との向き合い方の混乱があると思う。

私も長女が生まれた後から知識量が増え、知らず知らずに「混乱状態」になっていたなあと思うエピソードがたっぷりある。

長女が生まれたのは2011年。

震災の影響で福島や東京から北海道に自主避難してきている人も多く、放射能汚染の社会問題も相まって、子育ての自然回帰の気運が高まっていた時期でもあった。

 

もともと田舎で育ったせいもあってナチュラル思考だった私は、拘りだすと穴が空くまで調べるたちで、自然育児にどんどんはまり、マイルールが増えて行った。

 

柔軟剤の香りはさせられないな

塩素系漂白剤を使っちゃったけど、大丈夫かな

着るものはアウトドアブランドがいい

野菜は無農薬、肉は国産で調味料の”アミノ酸等”はダメ

洗濯は粉せっけん、柔軟剤の代わりにクエン酸

食器洗いもせっけんで、油ものを洗う前には古布で拭う

フードコートは危険地帯!

 

などなど‥数えだすとキリが無いくらいのアンテナを張っていて、食品や日用品の原材料チェックが日課になっていた。

一つ一つは大した事じゃなくても、それが集まると大変な事です。

 

そういう生活を4〜5年続けていると付き合う人たちも偏ってきて、添加物を避けて高価格な物を買う生活に窮屈さを感じていたいた頃、一人のママ友が言った一言にハッとした。

「もう普通のスーパー行けないよね」

 

その人は沢山の要因があって本当に慎重にならなくてはいけない方だったので、その通りだと思う。でも私はそうじゃなかった。普通のスーパー、行くよ。大好きだよ。

あ、この暮らしは続かないと悟ったありがたい言葉だった。

 

家族全員肌が弱かったり、私が片頭痛持ちで強い香りが苦手だったりするのである程度選ばなくては快適には過ごせない。

でも、普通のポテチを食べて普通のコーラを飲んで、安売りの肉を食べても大丈夫。

子ども達は外遊びも大好きだしゲームだって大好き。

石鹸洗濯特有の香りのタオルよりほんのり優しい香りのする柔らかいタオルが好き。

無農薬の野菜だけじゃなくて沢山野菜が食べたい。

何より、全部拘っていたらとっても我が家の家計では回らない。

 

当時の私は何となく「とっつきにくい人」という印象を与えていたように思う。

子供達も私も沢山の人に関わって生きていきたいのに、妙な壁を作っていたんじゃないかと思う。

 

自然が大好きだし、どちらかというとナチュラル思考なのは間違いない。

でもそれで窮屈になるのはなんだか不自然だ。

自分が好きなのは「シンプル」なことであって「完璧」にすることではなかったと気づいた出来事だった。

 

子育てにおいて「適度に」とはよく言うけど、それが一番難しい。

だけど、シンプルならきっとできるんだと思う。

だって面倒な事は一番苦手だから。