色々あって此処

焦って不安になるけれど、笑えることはあるものです

あずき離れと子供達

ぜんざい食べる?

 

いらなーい!!

 

ああ、嘆かわしい。

 

我が家の子供達はあんこ嫌いです。

 

それはきっと食べてこなかったから。

 

小豆の煮える甘い香りと湯気で結露する冬の暖かい部屋の記憶がないから。

実家は農家だったので、冬になると祖母がせっせと餅マシーン(?)を出してきて一日がかりでのし餅やあんこ餅を作っていました。

その日の、学校から帰った時の嬉しさといったら。

祖母のあんこはザラメで甘味をつけた、黒光りする胸焼けするほど甘いあんこだけど、家で採れた小豆にはそのくらいがちょうどよかったように感じます。

 

作りたての柔らかいあんこ餅を口に頬張ると、それはもう幸せで幸せで。氷点下のしばれる外を歩いて帰ってきた小学生にとってはご褒美おやつでした。

日にちが経ったあんこ餅は、薪ストーブにのせて焼きました。餅が膨れると中のあんこもマグマのように熱くなって溶け出して、少し焦げた匂いがしてそれはそれで美味しかったのを思い出します。

 

この子達にとって、私のあんこ餅に代わるものってあるのだろうか。

あんこ餅の風景に代わるものはどんな風景だろうか。

 

そんなふうに考えながら、1人寂しくぜんざいを頬張りました。

 


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